普段はそれほど気にすることがない瞬き(まばたき)ですが、目の健康を維持するために、瞬きはとても重要な役割を果たしています。
なぜ私たちの目にはまつ毛が生えているのか、どんな役割を果たしているのか、瞬きの理由なども合わせてごらんください。
人間の目にはどうしてまつ毛が生えているのか
なぜまつ毛が生えるのか
何気なく過ごしていると、体の色んな部分にどんな役割があるのか分からず過ごしてしまいます。
その一つがまつ毛ですが、なぜまつ毛が生えているのか不思議だと思いませんか?
目元を魅了的にするために毎朝メイクに時間をかける女性も多いと思いますが、まつ毛の役目が分かると、まつ毛を大事に育てる必要があることに納得するはずです。
光から守ってくれる
まつ毛の役割として、目を様々な刺激から守ってくれる働きがあります。
その刺激になるひとつが光なのです。
目が強い光を浴び続けると目に大きな負担がかかり、これが原因でドライアイのトラブルが引き起ることもあります。
ドライアイになってしまうと目が傷ついたり、場合によっては感染症になってしまう恐れもあります。
まつ毛が長いとそれだけ目に入ってくる光をシャットアウトすることができます。
まつ毛そのものが紫外線を感じることができるので、特に意識をしなくても紫外線が目に入りそうになったときは目を少し閉じてまつ毛で眼球を守ろうとしてくれます。
目に異物が入らないようにしてくれる
まつ毛は毛なのに刺激を感じる能力を持ってるのをご存知でしょうか。
まつ毛のみならず、私たちの体に生えている毛はすべて、何かに触れたときに敏感に感じ取る役割を持っています。
例えば頭に直接触っていなくても髪の毛に何か触れたときに感じるのと同じです。
特にまつ毛の毛根近くにはとても多くの知覚神経が通っています。
そのため、まつ毛が何かに触れたり刺激を受けたとき、その瞬間意識しなくても自然に瞼を閉じて目を守ろうとします。
まつ毛はトラブルから目を守るためのセンサー的な役割も果たしているのです。
まつ毛が目の周りの気流を変えるほど影響があるってホント?
これは、本当です。
瞬きをしたり顔を動かした時、まつ毛の周りの気流に変化が生まれます。
この気流によって目の周辺に漂っている小さな塵や細菌、ダニなどを寄せ付けない働きがあると聞いて驚く方も多いのではないでしょうか。
また、普段私たちの目は適度に潤っていることで健康な目を維持できるのですが、この水分の蒸発を防ぐのもまつ毛によって気流が変わるためなのです。
まつ毛が極端に短い方や、まつ毛の量が極端に少ない方はドライアイになりやすいことも分かっています。
瞬きはすべて同じじゃない?実は3つのパターンがあった
私たち人間が瞬きをすることは当然皆さんご存知でしょうが、この瞬きに反射性瞬き・周期的瞬き・随意的瞬きの3つのパターンがあることは意外と知られていないかもしれません。
それぞれの瞬きがどういうものなのか順に見てみましょう。
1.反射性瞬き
目の周りや目に直接刺激があると反射的に瞬きをしてしまいます。これを反射性瞬きと言います。
刺激から目を守るための本能的な反応で、まつ毛に刺激があった時以外にもまぶたや結膜、角膜などに刺激があったときも瞬きをして目を保護します。
それ以外には、目の前に突然何か現れたときも瞬きをして目を守りますし、強い光が当たった時も本能的に瞼が反応して瞬きをします。
2.周期的瞬き
普段とくに意識をしていないとき、刺激がなくても自然に瞬きをする動きを周期的瞬きと言います。
この瞬きのスピードはとても遅いという特徴を持っています。
私たち人間は年齢を重ねるごとに、この周期的瞬きが増えることも分かっています。
一般的なことなので、若いころに比べて瞬きの回数が多くなったからといって不安に思う必要はありません。
生まれて数か月経ったころまでの赤ちゃんは、驚くことに周期的瞬きをしないのです。
少しずつ成長していくと子供のころには1分間に7回から17回、大人になると1分間に15~20回瞬きをするようになります。
この数字はあくまでも平均的な数字です。
3.随意的瞬き
これは自分があえて意識して瞬きをする動きを言います。
眠くなったときや目が疲れたと感じたときに、意識的にぎゅっと目をつぶることがあります。
気になる異性にウインクするのも随意的瞬きに分類されます。
実は人間の心理的に、緊張したりウソをついたり、場合によって不安な気持ちに襲われたときなども随意的瞬きの回数が増えることが分かっています。
瞬きにはどんな役割があるのか確認していこう
目の表面に潤いを与えてくれる
目が乾燥すると様々なトラブルが起こってしまいます。
傷つきやすい状態になるため、目の感染症を引き起こすこともあるので、目が常に潤ってることはとても大切なことなのです。
目の表面が常に潤った状態にするために必要なひとつが瞬きです。
私たち人間は悲しい時や悔しい時、嬉しい時などの感情によって涙を流すことがありますが、特に感情に動きがなくても常に少量の涙が出ています。
この少量の涙を瞬きの働きによって目全体に水分を与えているのです。
これで乾燥から目を守ることができます。
このとき涙には殺菌作用もあるので目をトラブルから守ってくれます。
目の表面がキレイになる
瞬きをするたびに目の表面がキレイになっていきます。
目には見えない小さな塵が空気中にはたくさん浮遊していて、それが目の表面にくっついてしまいます。
このままにしておくと目のトラブルが引き起りますが、瞬きをすれば目の表面に着いた塵などのゴミを拭ってくれるので、常に目の表面がキレイな状態に保つことが出来ます。
瞬きは脳をリセットする働きも持っている
研究結果で分かったことですが、人間は瞬きをしたときのタイミングで、脳の中で集中状態から情報処理へ脳の働きが切り替わることが分かりました。
そのため瞬きは脳をリセットする働きもあると広まったのです。
例えば、映画やドラマを見ているとき、場面が切り替わる瞬間に瞬きをすることもありますし、人と話しているときは聞き手側と話し手側が交代で瞬きすることも分かったのです。
これらは脳の中で新しい情報をインプットしたいときに、一度瞬きをして脳の中をリセットしようと働いている証拠なのです。
トラブルの原因になる?瞬きが減るとどうなるの?
ストレスで涙の量が減るってホント?
目を保護する役割のある涙がなかなかでなかったり、涙の質そのものが悪くなることで目の表面が乾いてしまいます。これがドライアイの状態です。
特に空気が乾燥していると目が乾きやすくなるのでドライアイが悪化することもあります。
そのほか、ストレスがドライアイを招くこともあるのをご存知でしょうか。
私たちの目に涙が常に出ている状態は副交感神経がしっかり働いている証です。
ところが、ストレスを感じた瞬間は交感神経が優位に立つため副交感神経の働きが悪くなります。
結果的に涙の量が減ってしまうのでドライアイになるというわけです。
瞬きが減るとドライアイになりやすい
昔に比べて極端に瞬きの回数が減ってきたと言われている今、その原因はゲームやパソコン、スマホなどにあると言われています。
じっと画面を見続けているので瞬きの回数が減ってしまうのです。
画面を見ているときは普通に過ごしているときに比べて瞬きの回数が半分程度に減ることも分かっています。
瞬きの回数が減ると涙の量が減ってしまうため、ドライアイが引き起る、またはドライアイが悪化してしまいます。
ドライアイを改善する方法
市販されている人口涙液の点眼薬を使ったり、空気の乾燥する部屋では加湿器を使うなどの工夫が必要です。
また、パソコン作業やスマホなどを見るときは、出来るだけ伏し目がちになるような角度を心がけてみてください。